4月生産者物価1.9%下落、エネルギーが強く押し下げ

ドイツ連邦統計局が15日発表した4月の生産者物価指数は前年同月比1.9%減となり、下げ幅は前月の0.8%から拡大した。新型コロナ危機を受けてエネルギー価格が大幅に低下したことが最大の押し下げ要因。エネルギーを除いた同物価はマイナス0.1%と下げ幅が小さかった。

エネルギー価格は7.3%落ち込んだ。下げ幅は石油製品で最も大きく23.3%を記録。液化石油ガスは同50.8%、灯油は41.9%、自動車燃料は19.6%に上った。

天然ガスも13.0%減と2ケタ台の落ち込みとなった。産業向けが25.8%、再販事業者向けが15.5%下落した。

電力は2.0%減だった。取引所価格が33.0%低下。再販事業者と特別契約顧客向けもそれぞれ5.7%、5.5%落ち込んだ。

中間財は2.7%低下した。銑鉄・鉄鋼・鉄合金が9.6%、紙が7.3%、化学原料が5.1%、穀物粉が3.5%下落。貴金属(23.2%増)と生コンクリート(5.4%増)はこれまでに引き続き上昇した。

非耐久消費財は2.8%上昇した。新型コロナ危機などを背景に食料品の価格が3.8%上昇。上げ幅は砂糖で17.0%、豚肉で9.2%、果物・野菜加工品で4.9%に上った。バターは16.1%、ジャガイモ加工品は8.7%、コーヒーは3.0%の幅で低下した。

耐久消費財は1.5%増、投資財は1.2%増だった。

生産者物価は前月比でも0.7%下落し、3カ月連続で落ち込んだ。エネルギーが1.8%低下。エネルギーを除いたベースでは下げ幅が0.3%だった。エネルギー以外の財では中間財が0.5%、非耐久消費財が0.2%低下。耐久消費財と投資財はそれぞれ0.2%、0.1%上昇した。

4月は新型コロナの影響で一部の製品の価格が大幅に上昇した。消毒液は前年同月比の上げ幅が10.2%に達し、古紙由来の二次原料は前月比で19.1%上昇した。

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