ルフトハンザ―ベルギー政府が子会社への支援表明―

ベルギー政府は15日、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で苦境に立つ独航空大手ルフトハンザ傘下のブリュッセル航空について、将来にわたる収益性と雇用の維持を条件に資金支援を行う意向を表明した。近日中の合意を目指し、ルフトハンザとの間で支援の形態や条件を詰める。

新型コロナの影響で運休が長期化するなか、ブリュッセル航空は今月12日、事業存続に向けた経営再建計画を発表した。従業員4,200人のうち25%を削減するとともに、不採算路線を整理し、機体数を現在の43機から38機に減らすという内容。航空需要が回復すれば雇用の75%を維持し、収益を確保して再び成長できると強調する一方、需要が2019年の水準に戻るのは早くて23年との見方を示していた。

ウィルメス首相と主要閣僚が15日、ルフトハンザのシュポア最高経営責任者(CEO)らと会談し、ブリュッセル航空への支援策について協議した。ベルギー側は人員削減を最小限に留めることや、将来の収益性を保証する事業計画の提示、さらにブリュッセル空港を引き続きハブ空港とすることなどを支援の条件として挙げた。双方はここ数週間にわたる困難な交渉の末、今回の協議で具体的な進展があったとし、有益な合意形成に向けて尽力する姿勢を強調した。

一方、ルフトハンザへの公的支援をめぐるドイツ政府との交渉も大詰めを迎えている。同社は新型コロナによる運休の影響で急速に経営が悪化しており、独政府の企業救済ファンド「経済安定化基金」を活用した90億ユーロ(約1兆410億円)の支援策について協議が行われている。

クキース財務次官は15日に開かれた会合でルフトハンザへの支援策に言及し、公的資金で特定の企業を救済する場合、国家が損失を被ることがあってはならないと強調。「国家は自信に満ちた投資家として行動している」と発言した。一方、ショイアー運輸相はルフトハンザとの間で「集中的な協議」が続いていると述べるにとどめ、具体的な内容については言及を避けた。

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