欧州連合(EU)の欧州航空安全局(EASA)と欧州疾病予防管理センター(ECDC)は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて運休していた航空会社と空港運営会社に対し、再開に向けた安全管理の指針を公表した。欧州委員会は今月半ば、加盟国間の移動や旅行の再開に向けた指針を発表しており、夏の休暇シーズンを前に旅客便の再開に向けて統一基準を示した形だ。
指針によると、空港に入れるのは原則として乗客本人のみで、家族や友人などの送迎は認められない。乗客は空港到着時からマスクの着用が求められ、機内では4時間ごとに新しいものに交換する必要がある。
空港や機内では1.5メートルの「社会的距離」を確保する必要がある。座席については「間を1つ空ける」ことで条件を満たすことができると指摘する一方、航空各社はコロナ禍による運休の長期化で経営が悪化していることから、各社に判断を委ねるとしている。
このほか機内では免税品の販売を中止し、飲食の提供も予め包装されたものなどに制限する。
欧州委のヴァレアン委員(運輸担当)は「航空業界において乗客・乗員の安全確保は常に最優先事項だ。指針は利用者に空の旅が安全であると確信してもらい、業界が新型コロナの影響から回復するのに極めて有効だ」と強調した。