ドイツ連邦統計局は25日、2020年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)統計の詳細を発表した。それによると、成長率は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期を2.2%下回り、世界的な金融・経済危機のさなかにあった09年第1四半期以来の大幅下落となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて個人消費と設備投資が大きく減少。外需も大きな足かせとなった。
個人消費(民間最終消費支出)は3.2%減少した。新型コロナの感染拡大防止策で小売店や飲食店の営業が3月半ば以降、強く制限され消費機会が減ったことや、操短・営業停止に伴う消費マインドの冷え込みが響いた格好だ。
総固定資本形成は0.2%減少した。設備投資が6.9%落ち込んだことが最大の押し下げ要因。建設投資は4.1%増と好調だった。内需で全体では前年同期を1.5%割り込んだ。
輸出は3.1%減少した。物品の輸出が4.0%後退。サービス輸出は0.7%増えたものの、輸出全体の落ち込みを相殺できなかった。輸入も1.6%減と振るわない。
GDP成長率マイナス2.2%に対する項目別の寄与度をみると、個人消費はマイナス1.7ポイント、設備投資はマイナス0.5ポイントに達した。建設投資がプラス0.4ポイント、在庫調整等がプラス0.3ポイントと全体を押し上げたことから、内需はマイナス1.4ポイントとなった。
輸出の減少幅が輸入を上回ったことを受けて、外需の寄与度はマイナス0.8ポイントとなった。