自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は22日、中国市場向けブランド「ジェッタ」の販売が好調だと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大が追い風になっているとしている。
ジェッタは元来、VW「ゴルフ」をベースとするCセグメント車だったが、同社はこれを中国市場に特化したブランドへと転換。初めて車を購入する若年層に照準を合わせたブランドとして昨年9月に販売を開始した。これまでVWの顧客となり得なかった消費者を獲得する狙いがある。
4月のジェッタ販売台数は1万3,500台に上り、シェアは約1%に上った。1~4月の累計は前年同期比12%減の約3万8,000台に後退したものの、市場は30%以上、縮小していることからシェアは大きく伸びている。
中国では新型コロナへの感染懸念を背景に公共交通機関やカーシェアリングを避ける動きが強まり、マイカーを持ちたいと思う消費者が増えている。低価格帯のジェッタはそうしたニーズに見合っていることから、販売が増えている。
ジェッタにはセダン「VA3」、SUV「VS5」「VS7」の3モデルがある。累計の販売台数は約8万1,000台。3月のVS7発売以降、需要が一段と伸びているという。同モデルの専用サイトを閲覧したネットユーザーは1,000万人に上る。
車両は現地合弁・一汽大衆の成都工場で生産している。