接触制限継続で国と州が合意

ドイツのアンゲラ・メルケル首相と国内16州の首相は5月26日の電話会議で、接触制限措置を6月29日まで延長することで合意した。新型コロナウイルスの新規感染者数は減少しているものの、濃厚接触による集団感染が発生するなど依然として油断できない状況にある。電話会議では1.5メートル以上の社会的距離を保つルールの継続や大型イベントを8月末まで禁止することも確認した。

ドイツでは新型コロナの感染者数の急増を受けて、外出や接触、営業を制限する措置が3月中旬に導入された。その効果で新規感染者数が大幅に減ったことから、国(連邦)と州は4月20日から緩和を開始。これまでに3度の緩和が行われたが、感染が再び拡大する兆候は出ていない。

5月6日に行われたメルケル首相と州首相の前回会談では、国と州が制限措置の大枠を設定したうえで、緩和措置を各州が自らの責任で策定・実施することを取り決めた。今回はこれに基づき、接触制限を各州の独自判断で一定程度、緩和できるとの取り決めを行った。公共の場に最大10人が集まることを州は6月6日以降、認められるようになる。

フランクフルト市では5月10日に行われた教会のミサで100人以上が新型コロナに感染した。独北部のレーア市でもレストランで集団感染が発生し、これまでに27人で陽性が確認されている。このため緩和を大幅に進めることに対しては警戒の声が強い。

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