航空大手の独ルフトハンザ(フランクフルト)は3日の決算発表で、従業員13万7,000人のうち少なくとも1万人を整理する意向を明らかにした。新型コロナ危機で経営がにわかに悪化。国から受ける90億ユーロの支援を2023年までに返済することを目指しており、これを実現するためには大幅なコスト削減が避けられない状況だ。投資も半分以下に削減する意向で、購入する機材を減らすとしている。
人員削減の規模は未定。カルステン・シュポール社長は労組との間で今後、行う交渉次第だとの認識を示した。勤務時間と給与の削減を労組がどの程度、受け入れるかにかかっているとしている。ロイター通信が社内情報として報じたところによると、人員削減規模は最大2万人に達する可能性がある。調査会社ベルンシュタイン・リサーチのアナリストは、ルフトハンザが黒字転換を果たすためには人件費を40%以上、圧縮しなければならないと述べた。
第1四半期(1~3月)の純損益は21億2,400万ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期の3億4,200万ユーロから大きく膨らんだ。新型コロナの感染拡大を防ぐために各国が導入した入国制限が響いた格好。フライト数は21%、乗客数は26%減少しており、売上高は18%減の64億4,100万ユーロへと後退した。営業損益(EBIT、調整済み)は12億2,000万ユーロの赤字となっており、売上高営業利益率は前年同期のマイナス4.3%からマイナス18.9%へと悪化した。
第2四半期は4月と5月のフライト件数が前年同期の5%にとどまったことから、赤字幅は大幅に拡大する見通しだ。