電気通信大手のドイツテレコム(ボン)は22日、米移動通信サービス大手TモバイルUSの株式およそ8%をソフトバンクグループから譲り受けるオプション権を獲得したと発表した。同権利を行使するとドイツテレコムはTモバイルUSを子会社化することになる。
ソフトバンクGは同日、TモバイルUS株の放出計画を明らかにした。保有する約24%のうち約16%をTモバイルUSに譲渡。TモバイルUSは同株を市場で売りさばくとともにTモバイルUSのマルセロ・クラウレ取締役に売却する。TモバイルUSはこれに絡んでソフトバンクGから現金3億米ドルを受け取る。
ドイツテレコムはソフトバンクGが保有するTモバイルUS株の残り約8%について、その大部分を取得するオプション権を取得した。権利の行使期限は2024年6月22日。
ドイツテレコムとソフトバンクGは18年4月、それぞれの米子会社TモバイルUSとスプリントを合併することで合意。今年4月にTモバイルUSを存続会社として合併を実現した。ドイツテレコムの出資比率は現在およそ43%だが、ソフトバンクGが合併に際し議決権をドイツテレコムに付与したことから、ドイツテレコムは過半数議決権を行使できる。この権利は少なくとも24年4月まで有効であるため、それまでにオプション権を行使すれば、過半数議決権を途切れることなく行使できる。