BMWとダイムラーが自動運転開発協業を凍結

独高級車大手のダイムラーとBMWは19日、次世代自動運転技術の開発協業を当面、停止すると発表した。サプライヤーを交えて専門家レベルで協議したところ、コストがかさむことが判明したため。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に事業環境が悪化していることもあり、棚上げを余儀なくされた格好だ。将来的に協業を再開する可能性はあると強調している。

両社は昨年7月、次世代の自動運転技術と先進運転支援システム(ADAS)を共同開発することで最終合意した。自動車業界では電動車、コネクテッドカー、自動運転車の技術開発が財務の大きな圧迫要因となっていることから、協業を通してコストを削減するとともに、新技術を早期に実用化する狙いがあった。

新型コロナ危機の発生を受けて、世界の自動車市場は大幅に縮小している。自動車各社は業績を強く圧迫され、コストを可能な限り切り詰めなければならない状況だ。

両社は現行世代の自動運転技術をそれぞれ別個に開発している。ダイムラーはサプライヤー大手のボッシュと協業。BMWもコンチネンタル、インテル、モービルアイ、アンシス、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)などとアライアンスを形成している。BMWのクラウス・フレーリヒ取締役(開発担当)は「我々の現行世代の技術は極めて大きく長期的なポテンシャルを秘めている。高性能のセンサーとコンピューターを持つ我々のモジュール・システムは顧客が必要とするものを何年にも渡って提供することができる」と述べ、当面は現行世代の技術で対応できるとの認識を示した。

BMWとダイムラーはそれぞれ、既存・新規のパートナーとともに独自の開発路線を歩むことになる。

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