フォルクスワーゲン―レンタカーのヨーロッパカーを再買収も―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)が仏レンタカー大手ヨーロッパカーの買収を検討しているもようだ。ロイター通信が消息筋の情報として報じた。ヨーロッパカーはVWの元完全子会社であることから、買収した場合は買い戻す形となる。

ヨーロッパカーは昨年11月から売りに出されている。新型コロナ危機でレンタカー需要が激減し、現在はフランス政府の支援を受けていることから、売却先の模索は加速している。

VWは2006年、中核事業に経営資源を集中するため、ヨーロッパカーを仏投資会社ユーラゼオ (Eurazeo)に債務も含め33億2,000万ユーロで売却した。

ここにきて再買収に意欲をみせているのは、経営戦略の上でレンタカー会社の重要性が高まっているためだ。ヨーロッパカーを再び傘下に収めることで、VWは移動サービス事業を強化できるうえ、電気自動車(EV)の大きな販売チャンネルも確保できる。EV販売が増えれば、EV事業の収益性が高まるほか、欧州連合(EU)の二酸化炭素(CO2)排出規制にも対応しやすくなる。

ただ、ヨーロッパカーの買収には米アポロ・グローバル・マネジメントなど投資会社も関心を示していることから、VWが買収できるかは定かでない。

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