4社に3社がクラウドを利用、プロバイダー選択ではGDPRを重視

クラウドサービスを利用する企業の割合がドイツで昨年76%に達し、前年から3ポイント増加したことが、情報通信業界連盟(Bitkom)が6月23日に公開したアンケート調査結果で分かった。利用を計画・検討しているとの回答も18%に上っており、利用する考えがない企業は6%にとどまった。調査を担当したBitkomリサーチのアクセル・ポルス社長は「クラウドコンピューティングは明日の事業の根底をなす技術であることを企業は理解している」と述べた。

クラウドの種類別では、企業が自らシステムを構築して利用するプライベートクラウドが55%から58%に増加。不特定多数の利用者を対象とするパブリッククラウドも35%から38%へと拡大した。

クラウドが自社のデジタル化に寄与している分野としては、「企業全体のデジタル化」との回答が最も多く78%を占めた。これに「各専門部署とIT部署の協業が緊密化・改善した」が70%、「社内プロセスのデジタル化」が69%、「デジタル販売・サービスチャンネルの開拓」が63%で続いた。

クラウドプロバイダーを選ぶ際の絶対に外せない基準としては「欧州連合(EU)一般データ保護規則(GDPR)に合致している」が最も多く96%に達した。「セキュリティ設計とコントロールの透明性」(88%)、「特殊な要求に対応すること」(87%)、「ソリューションを統合できること」(86%)、「当該クラウドからの出口戦略が契約書に明記されていること」(83%)も多い。「電算センターが専らドイツにある」は69%だった。

パブリッククラウドでどの分野ソフトを利用するかを、同クラウドの利用企業および利用を計画・検討している企業に尋ねたところ、最も回答が多かったのはIoTで、23%に上った。これにデータレイクが17%、言語認識が8%、人工知能(AI)が7%、ブロックチェーンが2%で続いた。AIとの回答は前年の2%から大きく増えている。

「パブリッククラウド・ソリューションを自社のITインフラに統合した際に手間取った問題」としては「コンプライアンス規定の遵守」が41%で最も多かった。これに「セキュリティ規定の遵守」が38%、「適切な専門人材の確保」が30%、「業務・ITプロセスの適合」が29%で続いた。