シーメンス―発電設備部門分離を株主が承認―

独電機大手シーメンス(ミュンヘン)の臨時株主総会が9日、バーチャル形式で開催され、発電設備子会社シーメンス・エナジーの分離計画が99.36%の賛成で承認された。シーメンスは今後、経営資源を「スマート・インフラ」「デジタル・インダストリー」「モビリティ(鉄道車両)」に集約する。同子会社の株式は9月28日から市場で取引されることになる。

シーメンスはシーメンス・エナジー株55%を株主に割り当てる。株主はシーメンス株2株につきシーメンス・エナジー株1株を取得する。シーメンスは同子会社への出資比率を1年~1年半でさらに大幅に引き下げる意向のため、同比率は45%からさらに低下することになる。

シーメンス・エナジーは石炭・ガス発電設備、変圧器、コンプレッサー、風力発電タービンなど幅広い製品とサービスを手がける企業で、4月に設立された。従業員数は9万1,000人。2019年9月通期の売上高は288億ユーロで、営業利益(EBITA、調整済み)は13億ユーロに上った。

シーメンスのジョー・ケーザー社長はシーメンス・エナジーの監査役会長に就任する。同社長は地球温暖化防止に向けた規制の強化とそれに伴う経営環境の変化を踏まえ、「ステークホルダーに対して公正な石炭発電事業からの脱却計画を速やかに提示することをシーメンス・エナジーの取締役会に要請した」ことを明らかにした。

上部へスクロール