高級乗用車大手の独BMW(ミュンヘン)は9日、モロッコの鉱業大手マナジェム・グループから車載電池用のコバルトを調達することで合意したと発表した。自社の電動車に搭載する電池の原料を自ら調達することで、持続可能性に配慮したサプライチェーンを実現する考えだ。
マナジェムから2025年までの5年間、コバルトを調達する。取引価格は約1億ユーロ。BMWが21年から投入する「第5世代」の電動パワートレインに用いるコバルトの20%をマナジェムから購入する。残り80%はオーストラリアで調達することになっている。
BMWは電池セルの主要原料であるコバルトとリチウムを自ら調達し、セルのサプライヤーに供給する方針を打ち出している。両原料の採掘・加工に当たってはしばしば環境汚染や人権侵害が起きていることから、そうした問題含みの材料を自社製品から排除する狙いがある。
第5世代電動パワートレインに投入するリチウムについては中国のガンフォンから調達する。契約期間は2020~24年の5年間で、調達額は5億4,000万ユーロとなる見通し。ガンフォンはBMWに供給するリチウムをオーストラリアの鉱山で採掘する。
BMWは自ら調達したコバルトとリチウムを電池セルのサプライヤーである中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と韓国のサムスンSDIに供給する。