ドイツポスト―EVをリコール、発火の恐れで―

物流大手のドイツポスト(ボン)が子会社ストリートスクーター製の電気自動車(EV)をリコール(無料の回収・修理)する。発火の恐れがあるため。独連邦陸運局(KBA)のリコールデータバンクのデータをもとに各種メディが報じた。

対象となるのは、スクリートスクーターが2014年から19年にかけて製造した配達用EV「ワーク」と「ワークL」、合わせて1万2,140台。ドイツ本国はそのうちの1万1,800台を占める。

低電圧充電器と、ワイヤーハーネスの絶縁性に問題があり、加熱して発煙、発火する恐れがある。そうしたケースはこれまでに少なくとも3件、発生している。

スクリートスクーター製の車両では2018年にも発火事故が起きた。この時は電池部品の溶接に問題があった。今回のリコールはこれと関係がない。

ストリートスクーターはライン・ヴェストファーレン工科大学(RWTH)のスピンオフとして10年に設立された。ドイツポストは14年に同社を買収し、自社の配達車両を同子会社製のEVへと切り替えていった。

だが、ドイツポストは物流企業であることから、ストリートスクーターを長期的に子会社にとどめておく考えはもともとなかった。このため合弁会社化に向けてパートナーを模索。これが不調に終わったことから、ストリートスクーターをメーカーからドイツポストが保有する配達EVの運営会社へと転換する意向を3月に表明した。EV生産を年内に停止する。

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