化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)が10日発表した2020年4~6月期(第2四半期)暫定決算の純損益は8億7,800万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(59億5,400万ユーロ)から大幅に悪化した。新型コロナ危機の直撃を受けた格好。比較対象の19年第2四半期は石油・天然ガス開発大手のDEAと合併した子会社ヴィンタースハルを連結対象から切り離したことで帳簿上の利益56億8,400万ユーロを計上しており、その反動も大きい。
新型コロナ危機を受けて営業利益(EBIT、特別項目を除く)は前年同期の9億9,500万ユーロから2億2,600万ユーロへと激減した。最大の顧客産業である自動車向けの販売が落ち込んだことが響いた。
景気悪化に伴い原油・天然ガスの将来の予想価格が低下したことも純損益を強く押し下げた。DEAとヴィンタースハルの合併で成立した新会社の保有株で約8億ユーロの評価損を計上したためだ。
売上高は126億8,000万ユーロで、前年同期を12.4%下回った。