建材大手の独ハイデルベルクセメントは6日、2020年第2四半期(4~6月)に営業権(のれん)とその他の資産で評価損およそ34億ユーロを計上すると発表した。新型コロナ危機を受けて事業見通しを見直した結果、資産の評価額を大幅に引き下げざるを得なくなったと説明している。
評価損の内訳を地域別でみると、西欧・南欧(英国、フランス、ベルギー、オランダ、イタリア、スペイン)が約27億ユーロと大半を占める。また、英国は評価損全体(34億ユーロ)の約半分を占めるという。西欧・南欧以外の評価損は北米が約3億ユーロ、アジア太平洋が約2億ユーロ、北欧・東欧・中央アジアが約1億ユーロとなっている。
評価損の3分の2は英同業大手ハンソンの買収、残り3分の1は伊同業イタルチェメンティの買収で取得した資産で発生した。
ハイデルベルクセメントはハンソンを2007年、イタルチェメンティを16年に買収した。ハンソンの買収に絡んでは銀行から借り入れた買収資金を一時、返済できなくなった経緯がある。