ドイツ政府と国内16州の政府は16日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた新たな取り決めを行った。夏季旅行シーズンが本格化し人の移動が増えることを踏まえたもので、感染者が多く出ている地域を対象に不要不急の出入域を制限する。
制限対象となるのは人口10万人当たりの7日間の感染者数が計50人を超えた地域、および多数の感染者が発生している可能性があるものの実際の感染者数を把握できていない地域。制限対象は郡や特別都市などの広い地域でなく、それよりも小さな地域に限定する。これにより移動制限を受ける市民を可能な限り少なくする考えだ。
国は対象地域のPCR検査を支援する。これにより感染の範囲を迅速に把握し、出入域の制限対象とする地域を絞り込めるようにする。
制限対象となった地域の住民が域外のホテルなどに宿泊するためには、48時間以内に発行された非感染証明書を提示しなければならない。
今回の合意は6月中旬に独西部のノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州で発生した新型コロナの大規模な感染を教訓にしている。州政府はこのとき、感染者数が多い郡全域にロックダウンを導入した。だが、郡内には感染者数が少ない市町村も多かったことから、裁判所は郡全域をロックダウンの対象とし続けることは感染拡大防止という目的を達成する手段としてバランスの取れた政策とは言えないとして、解除を命じた。国と州はこれを踏まえ、出入域の制限地域をピンポイントで設定することを取り決めた。
今回の合意ではまた、国外のリスク地域からの入国者に到着後14日間の自宅隔離を命じる政策の継続も確認した。ただ、入国前48時間以内に発行された非感染証明書がある場合は免除する。