生産者物価の下げ幅5カ月ぶりに縮小

ドイツ連邦統計局が20日発表した6月の生産者物価指数は前年同月比1.8%減となり、5カ月連続で低下したものの、下げ幅は5カ月ぶりに縮小した。新型コロナ危機に伴うエネルギー価格下落の幅が狭まったことが大きい。エネルギーを除いた同物価はマイナス0.4%だった。

エネルギーは6.2%減となり、下げ幅は前月の同7.9%から狭まった。石油製品の低下率が27.5%から20.5%へと縮小。灯油(-36.8%)、液化石油ガス(-25.7%)、自動車燃料(-15.9%)などで下げ幅が小さくなった。

天然ガスは13.8%下落した(前月13.4%減)。産業向けが26.3%、再販事業者向けが16.7%下がった。

電力は0.4%増となり上昇へと転じた。産業施設向けが6.2%上昇したことが大きい。取引所価格は18.3%、特別契約顧客と再販事業者向けもそれぞれ2.4%、2.6%落ち込んだ。

中間財は2.5%低下した。銑鉄・鉄鋼・鉄合金が9.9%、化学原料が8.2%、穀物粉が3.0%下落。貴金属(21.7%増)と生コンクリート(4.7%増)はこれまでに引き続き上昇した。

非耐久消費財は0.6%上昇したものの、上げ幅は前月の1.3%から縮小した。食料品の上昇率が前月の1.5%から0.4%に低下したことが反映された格好。砂糖が17.6%、食肉加工品が5.7%高くなったのに対し、バターは16.4%安くなった。

耐久消費財は1.5%増、投資財は1.2%増だった。

生産者物価は前月比では横ばいとなり、4カ月続いた下落に歯止めがかかった。エネルギーは0.4%上昇。エネルギーを除いたベースでは0.1%低下した。

エネルギー以外の財では耐久消費財と投資財がともに0.1%上昇。非耐久消費財は0.3%、中間財は0.1%それぞれ下落した。