乗用車大手の独BMW(ミュンヘン)は16日、スウェーデンのスタートアップ企業ノースボルトから車載電池セルを調達することで合意したと発表した。電動車の今後の販売拡大を見据え、調達先を拡大する。ノースボルトはBMWにとって中国の寧徳時代新能源科技(CATL)、韓国のサムスンSDIに次ぐ3社目のセルサプライヤーとなる。
ノースボルトがスウェーデン北東部のシェルレフテオーに建設する工場から2024年以降、セルの供給を受ける。成約額は20億ユーロ。同工場では生産に必要な電力をすべて再生可能エネルギーで賄うことから、BMWは同工場製のセルを用いることで、製品ライフサイクル全体の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる。電動車ではCO2排出量の40%が電池セルの生産で発生している。BMWはCATLとサムスンSDIに対しても、セル生産の電力を100%再生エネで賄うことを義務付けている。
セルの主要原料であるコバルトとリチウムはBMWとノースボルトが共同調達する。これにより、環境や人権上の問題がない原料を確保する。
BMWはセルの開発で18年半ばにノースボルトと提携するとともに、資本参加も実施した。セルの開発ではリサイクルしやすいデザインを実現し、今後一段と増えるセル需要に対応できるようにする考えだ。