独フランクフルト検察当局は22日、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と欧州商用車大手CNHインダストリアルを対象に3カ国で立ち入り調査を実施したことを明らかにした。ディーゼル車の排ガスを不正に操作する装置を搭載していた疑いが持たれている。FCAは声明で、捜査に全面協力する意向を表明した。
捜査の対象となっているのはFCA傘下ブランドのフィアット、アルファロメオ、ジープ、およびCNH傘下ブランドのイベコ。2014~19年にかけて製造・販売した20万台以上の車両に窒素酸化物(NOx)の排出を違法に操作する装置が搭載されていた疑いがある。
立ち入り捜査の対象となったのは独バーデン・ヴュルテンベルク州とヘッセン州、伊ピエモンテ州、スイスのトゥルガウ州にある施設。捜査当局の広報担当者はイタリア在住の9人に詐欺の容疑があることを明らかにした。
FCAとCNHはフィアットの創業家であるアニェッリ家が展開する持ち株会社エクソールの出資先企業。エクソールはFCAの決議権の42.44%、CNHの同42.22%を持つ。