ドイツ連邦統計局が7月29日発表した6月の輸入物価指数は前年同月比5.1%減と大幅に低下したものの、下げ幅は前月の7.0%から縮小した。エネルギーの低下率が前月の50.6%から37.2%に縮小したことが大きい。エネルギーを除いた輸入物価はマイナス1.3%だった。輸入物価が前年同月を割り込むのは14カ月連続。
エネルギーでは天然ガスが39.9%減、原油が39.5%減、石油製品が34.8%減と特に大きく下落。石炭(22.0%減)と電力(18.7%減)も2ケタ台の落ち込みとなった。
中間材は3.6%低下。リグニン・セルロースは17.6%、樹脂は14.1%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は7.7%、電子部品は5.0%安くなった。貴金属は25.6%増となり、これまでに引き続き大きく上昇した。
投資財は0.3%低下した。タブレットPCとスマートフォンがそれぞれ9.5%、8.5%下落。自動車・自動車エンジンは1.2%上昇した。
耐久消費財は0.2%増だった。
非耐久消費財は0.3%増と小幅な伸びにとどまった。食肉・肉製品は3.0%低下。豚肉と家禽肉では下落幅がそれぞれ8.5%、11.7%に上った。牛乳・乳製品は1.8%減。衣料品は1.0%、医薬原料は3.0%それぞれ上昇した。
農産物は2.1%増となり、上げ幅は前月の3.7%から縮小した。桃が31.0%、かんきつ類が17.3%上昇したのに対し、アーモンドは17.9%、パプリカは14.2%、天然ゴムは14.1%落ち込んだ。
6月の輸入物価指数は前月比では0.6%増となり、2カ月連続で上昇した。エネルギーは15.8%増と大幅に高くなっており、エネルギーを除いたベースの輸入物価は0.4%下落した。
6月の輸出物価指数は前年同月比が1.0%減、前月比が横ばいだった。