独連邦保健省傘下のロベルト・コッホ研究所(RKI)は7月31日、スペイン北部のアラゴン、カタロニア、ナバラ3州を新型コロナウイルス感染症の危険地域に再指定した。欧州連合(EU)加盟国で危険地域に再指定されたのはルクセンブルクに次いで2カ国目。これら3州からの帰国者は入国に際しPCR検査を受けることを義務付けられることになる。
RKIは人口10万人当たりの過去7日間の新規感染者数が計50人を超えた国・地域を危険地域に指定する。スペインの3州はこの基準に当てはまることから指定を受けた。
ドイツは新型コロナの世界的な流行を受けて3月中旬に入国制限を開始したが、欧州の多くの国で沈静化したことから、EU・シェンゲン協定加盟国および英国からの入国制限を6月に解除した。制限解除は相互的であり、ドイツからも欧州の多くの国に観光目的で訪問することが可能になった。
だが、各国のコロナ規制の緩和と観光客の増加を受けて欧州の感染者数は再び増加傾向にあり、英国は26日、スペインからの入国者に2週間の隔離を義務化。ドイツのイェン・シュパーン保健相は27日、危険地域から帰国した人にPCR検査を受けることを義務付けると発表した。今週中(8月3~9日)にも施行する意向で、施行後に危険地域から帰国した人は空港などで検査を受けなければならなくなる。
独外務省は同日、アラゴン、カタロニア、ナバラ3州を対象に渡航中止勧告を出した。これにより、これら3州への旅行を予定していた観光客などは予約の無料キャンセルが可能となった。