ドイツ連邦統計局が7日発表した6月の輸出高(暫定値)は物価・営業日数・季節要因調整後の実質で前月比14.9%増となり、統計を開始した1990年以降で最大の伸びを記録した。増加は2カ月連続。新型コロナ規制を多くの国が緩和したことから、伸び率は前月の8.9%から一段と拡大した。
輸入高は同7.0%増となり、2010年5月(10.6%増)以来の大きな伸びを記録した。増加はこちらも2カ月連続。
6月の名目輸出高は961億ユーロで、前年同月を9.4%下回った。下落幅は4月(31.1%)と5月(29.8%)から縮小しているものの、依然として大きい。
輸入高は10.0%減の805億ユーロで、貿易収支の黒字幅は前年同月の165億ユーロから156億ユーロへと5.5%縮小した。経常黒字は14.9%増えて224億ユーロとなった。
名目輸出高を仕向け先地域別でみると、ユーロ圏は11.0%、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国は11.1%減少。EU域外は7.4%減だった。コロナ危機が深刻な米国向けが20.7%減少。中国向けは15.4%増と大幅に伸びた。
名目輸入高はユーロ圏からが11.2%減。EUのユーロ非加盟国とEU域外はともに9.3%減だった。中国からの輸入が20.2%増えたのに対し、米国からは17.4%縮小した。
1~6月の輸出高は名目5,768億ユーロで、前年同期を13.4%下回った。同輸入高は10.3%減の4,994億ユーロで、貿易黒字は29.4%減の774億ユーロへと縮小。経常黒字も11.7%減の1,039億ユーロに縮小した。
1~6月の輸出高を仕向け先地域別でみると、ユーロ加盟国は15.7%減と大きく後退。EUのユーロ非加盟国は10.8%減、EU域外は12.4%減だった。
同輸入高はユーロ圏が13.4%減、EUのユーロ非加盟国が12.4%減、EU域外が6.8%減だった。