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2020/8/26

総合 - ドイツ経済ニュース

GDP減少幅が過去最大の9.7%に、貯蓄率は20%強に倍増

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が25日発表した2020年4-6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期を9.7%割り込んだ。減少幅は速報値(10.1%減)から0.4ポイント縮小ものの、四半期 […]

ドイツ連邦統計局が25日発表した2020年4-6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期を9.7%割り込んだ。減少幅は速報値(10.1%減)から0.4ポイント縮小ものの、四半期ベースの統計を開始した1970年以降では断トツで最大となっている。新型コロナウイルス感染症の拡大とその防止策を受けて経済活動が国内外で大幅に鈍化したことが反映された格好だ。

第2四半期のGDPを支出面からみると、全体の5割を占める個人消費(民間最終消費支出)が10.9%減と大きく縮小し、最大の足かせとなった。また、設備投資は19.6%減となり、内需の中で減少幅が最も大きかった。建設投資は前期の水準が高かった反動で4.2%減少している。政府最終消費支出は1.5%増加したものの、内需全体では前期を7.2%割り込んだ。

物品とサービスの輸出は20.3%減少。同輸入は16.0%減だった。

GDP成長率マイナス9.7%に対する項目別の寄与度をみると、個人消費はマイナス5.7ポイントと圧倒的に大きかった。設備投資はマイナス1.3ポイント、建設投資はマイナス0.5ポイント。政府最終消費支出と在庫調整はそれぞれプラス0.3ポイントとなっており、内需全体の寄与度はマイマス6.9ポイントだった。

外需は輸出の減少幅が輸入を大きく上回ったことから、マイナス2.8ポイントと足かせになった。

各産業が創出した付加価値をみると、建設が前年同期比で実質(物価調整値)1.6%増加したのを除いてすべて減少した。減少幅は製造で20.8%、企業向けサービスで16.0%、流通・運輸・飲食・宿泊で12.9%と特に大きかった。全産業の減少幅は11.3%だった。

国民所得は前年同期比で7.3%減少した。企業・財産所得が17.3%減と大幅に縮小。雇用者所得も3.6%落ち込んだ。

被用者の賃金・給与は名目で4.8%減少したものの、世帯の可処分所得は減少幅が0.8%にとどまった。操短手当など国の支援策で所得の目減りが緩和されたことが背景にある。個人消費が名目で前年同期を11.7%下回ったことから、貯蓄率は前年同期の10.2%から2倍の20.1%へと上昇した。

財政収支は9年ぶり赤字

統計局が同日発表したドイツ全体の1-6月期(上半期)の財政収支は516億ユーロの赤字となった。上期の赤字転落は11年以来で、9年ぶり。財政収支の対名目GDP比率は前年同期のプラス2.7%からマイナス3.2%へと落ち込んだ。新型コロナ危機で税収が減少するとともに、支出が大幅に増えたことが反映された格好だ。

収入のおよそ半分を占める税収は8.1%減少した。法人税や営業税など企業が支払う税が26.8%減と大幅に後退したことが大きい。一般世帯が支払う所得・資産税は4.7%減と減少幅が比較的小さかった。経営が悪化した企業などへの国や州の巨額支援を受けて補助金支給額は177.5%膨らんだ。

ドイツ経済は4月を底に回復傾向にあり、7-9月期(第3四半期)のGDPは4-6月期の反動で急増するとみられている。ただ、新型コロナが世界的に流行しているうえ、国内でも感染者数の再増加に歯止めがかからないことから、経済が危機前の水準に回復するのは22年以降になるとの見方が有力だ。

同国ではコロナ危機で資金繰りが急速に悪化した企業の経営破綻を防ぐために、会社更生手続きの申請義務が3月1日付で免除された。免除期限は9月末となっている。政府が期限を延長しない場合、10月以降に経営破綻が急増して、失業者の増加や景気の悪化に発展する恐れがある。