BASF―トヨタ車の軽量化に貢献―

化学大手の独BASF（ルートヴィヒスハーフェン）は7日、トヨタの北米事業統括会社トヨタ・モーター・ノース・アメリカ（TMNA）が開発したミニバン「シエナ」の次世代車の軽量化に貢献したと発表した。TMNAはBASFの協力を受け、性能基準を満たしながら第3列シートを現行車両に比べ30％軽量化することに成功した。コストも15％引き下げている。

従来の自動車シートは金属ベースで作られており、樹脂部品は金属の補強材として投入されている。金属と樹脂部品を組み合わせる作業は手間暇がかかることから、TMNAはBASFに樹脂の射出成型により低コストで簡単に製造する技術の開発を要請。BASFはガラス繊維を35％配合したポリアミド6（PA6）を用いてこれを実現した。鉄鋼部品を用いる現行シエナの第3列シートに比べ大幅な軽量化が実現している。米ミシガン州サリーンにあるトヨタ研究開発センターのトッド・マック氏は「軽量化は必ずしもコスト高であるわけではない」と明言した。