ごみ分別設備製造の独ヴィリー・シュタットラー(アルツハイゼン)が国外事業を強化する意向だ。分別が不十分であるために家庭ごみを必要最低限以上に焼却処分している国が多いため、市場開拓の余地が大きいと判断。特に廃棄物・リサイクル規制が強化される欧州に期待をかけている。中国には進出しない。ヴィリー・シュタットラー社長が日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。
同社は収集されたごみをプラスチックや紙、段ボールなどに分類するプラントを手がけている。顧客のニーズに基づいて製造することから、同じプラントを2度、作ることはない。自社製品に用いる部品の75%を内製している。
国際市場の開拓に向けてはすでに欧州、ブラジルにサービス拠点を持つ。近くメキシコにも開設する予定だ。
米国では同社製品の需要が増えている。同国では紙、プラスチック、包装廃棄物、布類、缶・ガラスなどの乾燥廃棄物が混合廃棄される「単一ストリームリサイクリング」が主流であることから、様々な種類の廃棄物を分別できるヴィリー・シュタットラーの設備は相性が良い。
中国は巨大市場であるものの、◇言葉の壁が大きい◇パートナーとなる現地企業にノウハウや知財を盗まれる恐れがある――ことから進出しない。
欧州連合(EU)ではリサイクル規制が今後、強化される。家庭ごみに関してはリサイクル比率を現在の44%から2025年に55%以上、30年に65%以上に引き上げる計画で、35年以降は廃棄物に占める埋め立てごみの割合を10%以下にすることを目指している。また、24年からは生ごみ、25年からは繊維ごみと危険な家庭ごみの分別が義務付けられる。
ヴィリー・シュタットラーは将来的に廃家電の分別設備も提供する考えで、そうした製品を手がけるスイス企業ウィー・スイス(Weee Swiss)をすでに買収した。廃家電分別設備に対する市場の関心は高いという。