ドイツ連邦統計局が2日発表した7月の小売売上指数は物価調整後の実質で前年同月を4.2%上回った。食品・飲料・たばこ店が4.2%、非食料品店が4.4%の幅で増えた。新型コロナウイルス感染症が流行する直前の2月に比べても小売売上は実質(物価・営業日数・季節要因調整ベース)0.9%増加している。
食品・飲料・たばこ店の7月の売り上げの内訳をみると、スーパーなど幅広い分野の製品を取り扱う小売店は前年同月比で4.6%増加。肉屋などの専門店は0.4%増と小幅な伸びにとどまった。
非食料品店では通販の伸び率が最も大きく、15.6%に達した。新型コロナの感染を避けるために実店舗の利用を避ける動きが強まったことが背景にある。
家具・家電販売店/ホームセンターも12.9%増と好調だった。巣ごもり消費と在宅勤務の増加が追い風となった。
デパートなど総合的な小売店は14.5%減、繊維・衣料品・靴・革製品販売店も8.0%減と振るわなかった。外出の抑制や節約志向の高まりを受けてファッションのニーズが低下していることが響いた格好だ。コスメティック・医薬・医療品販売店も4.1%減少した。
売り場面積当たりの売上高は2.6%増えたものの、増加幅は小売売上全体の4.2%を大きく下回った。小売売上をネット通販がけん引していることが背景にある。
7月の小売売上は前月比では実質(物価・営業日数・季節要因調整値)0.9%減少した。7月1日付で付加価値税率が引き下げられたことから、市場では増加すると予想されていたが、当たらなかった。
1~7月の小売売上は物価調整後の実質で前年同期を2.6%上回った。食品・飲料・たばこ店が5.7%、非食料品店が0.8%増えた。非食料品店では通販が20.4%増加したのに対し、繊維・衣料品・靴・革製品販売店は27.8%減、総合的な小売店も16.0%減と大幅に落ち込んだ。