ドイツ連邦統計局が18日発表した8月の生産者物価指数は前年同月比1.2%減となり、7カ月連続で低下したものの、下げ幅は3カ月連続で縮小した。新型コロナ危機に伴うエネルギー価格下落の幅が狭まっていることが大きい。エネルギーを除いた同物価はマイナス0.4%だった。
エネルギーは3.9%減となり、下げ幅は前月の同5.8%から狭まった。石油製品の低下率が16.7%から14.4%へと縮小。灯油(-34.0%)、液化石油ガス(-11.0%)、自動車燃料(-2.2%)などで下げ幅が小さくなった。
天然ガスは9.9%減となり、低下率は前月(14.1%)から縮小。産業向けは24.1%から22.7%、再販事業者向けは18.0%から11.4%へと狭まった。
電力は0.9%増となり3カ月連続で上昇した。産業施設向けが5.9%上昇したことが大きい。取引所価格は13.6%、再販事業者と特別契約顧客向けもそれぞれ1.6%、1.3%落ち込んだ。
中間財は2.0%低下した(前月-2.3%)。二次原料が16.8%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金が8.7%、化学原料が6.4%、穀物粉が2.9%下落。貴金属(26.3%増)と生コンクリート(4.5%増)はこれまでに引き続き上昇した。
非耐久消費財は0.3%上昇したものの、上げ幅は前月の0.5%から縮小した。砂糖が19.2%、食肉加工品が2.4%高くなったのに対し、豚肉は12.6%低下。豚肉の価格は過去最高となった昨年12月に比べると23.1%下落した。
耐久消費財は1.5%増、投資財は1.0%増だった。
生産者物価指数は前月比では変動がなかった。エネルギーは0.3%、中間財は0.1%それぞれ上昇。そのほかの財は投資財と耐久消費財が横ばい、非耐久消費財が0.1%の低下だった。