トレイトン―傘下ブランドの自立性強化へ―

フォルクスワーゲン(VW)の商用車子会社トレイトン(ミュンヘン)は23日のバーチャル株主総会で、傘下ブランドの自立性を強化する方針を明らかにした。傘下ブランド間の協業強化を通してシナジー効果を引き出すとした戦略が相互不信でうまく機能していないことから、ひとまず各ブランドの自主性を尊重することにしたもようだ。マティアス・グリュントラー社長は「収益力とパフォーマンスに対するスカニア、MAN、フォルクスワーゲン・カミーニョス・エ・オニブス(南米ブランド)の取締役の責任を強化する考えだ。わが社の各ブランドは利益率目標を達成するために自由に行動する余地を必要としている」と語った。

トレイトンは3ブランドの戦略、開発、人事、調達などを調整し、シナジー効果を引き出すために設立された。だが、独企業MANとスウェーデン企業スカニアの確執が深く、協業は進展していない。

トレイトンはこの状況を踏まえ、各ブランドに裁量を与えるとともに、利益率目標を自らの責任で達成することを義務付ける方針を打ち出した。同社は景気の低迷時でも売上高営業利益率で9%以上を確保するという目標を設定している。

協業を通してシナジー効果を引き出すというこれまでの戦略の基本ラインは維持するもようだ。調達については共同化をさらに進める考えを明らかにした。

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