欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2020/10/7

総合 - ドイツ経済ニュース

コロナ規制強化で国と州が合意、飲食店での虚偽情報記入は50ユーロ以上の罰金

この記事の要約

ドイツのアンゲラ・メルケル連邦首相と国内16州の首相は9月29日のテレビ会議で、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた新たな政策を取り決めた。国内の感染者数が7月以降、じりじりと増え続けているうえ、感染が拡大しやすい秋 […]

ドイツのアンゲラ・メルケル連邦首相と国内16州の首相は9月29日のテレビ会議で、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた新たな政策を取り決めた。国内の感染者数が7月以降、じりじりと増え続けているうえ、感染が拡大しやすい秋・冬シーズンを迎えたことから、これまでよりもやや厳しい措置を導入する。

ドイツの感染者数は現時点で比較的、少ない。ロベルト・コッホ研究所(RKI)の30日の発表によると、人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は14.5人で、警戒水準の同50人超を大幅に下回っている。だが、1日当たりの感染者数をみると、7月上旬まではおおむね300~400人にとどまっていたものの、その後は増加傾向が続き、最近は2,000人を超える日が多い。メルケル首相は28日、このままいくとクリスマスには1万9,200人に達すると危機感を表明した。

最近は結婚式や誕生日会などの私的なイベントや飲食店でクラスターが形成されるケースが目立っている。

ハンブルクのバーでは9月、複数の従業員の感染が確認された。これを受けて当局が約600人の顧客とコンタクトを取ろうとしたところ、追跡調査のための用紙に偽名や偽の連絡先が多数、記入されていたことが判明。多くの顧客と連絡が取れず大きな問題となった。今回の会議ではこれを踏まえ、追跡調査用紙に偽の情報を記入した利用者に最低でも50ユーロの罰金を科すことが取り決められた。

私的イベントについては、各地域(郡ないし特別市)の感染者数が一定水準を超えた場合は規制を導入することで合意した。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数が35人を超えた地域では、参加者数が公共の場ないしレンタル会場で最大50人、自宅など私的な場で同25人に制限される。新規感染者が50人を超えた地域では上限がそれぞれ25人、10人となる。

オフィスでのマスク着用を義務化=ベルリン州

一方、ベルリン州政府は9月30日、オフィスなどでマスク着用を義務化すると発表した。新型コロナウイルスの感染者数が州内で増加していることに対応。国(連邦)と16州が前日に取り決めたよりも厳しい感染防止策を10月3日(土)から開始した。

オフィスなどで働く人と訪問者は◇特定の場所(デスクなど)にとどまる◇社会的距離を保てる――場合を除き、マスクなどで口と鼻を覆うことを義務付けられる。また、エレベーターを利用する際はオフィスなどに限らず着用しなければならない。

同州の人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は30日に30.2人となり、州政府が独自に定める警戒水準に達した。ブランデンブルク門や国会議事堂がある中央地区(ミッテ)は51.3人で、国が危険地域と定める50人を突破。10月5日には57.0人へと拡大した。同日時点ではこのほか、ノイケルン地区が87.6人、フリードリヒスハイン・クロイツベルク地区が58.9人、テンペルホーフ・シェーネベルク地区が53.6人と、計4地区で50人を超えている。シャルロッテンブルク・ヴィルマースドルフ地区も43.7人と際どい水準にある。

同地で感染者の割合が高い背景には、感染防止策の順守度が低いという事情がある。イェン・シュパーン連邦保健相は5日、大規模な違法パーティーが毎週末、開かれていることや、屋内の飲食店では顧客もマスクを着用するという州のコロナ規制が無視されているケースが多いことを指摘。問題は規則自体でなく、規則が順守されていないことにあるとして、州当局に取り締まりなどの強化を促した。

連邦議会(下院)は感染状況を踏まえ、議院内でのマスク着用義務を6日付で導入した。

ドイツではこのほか、ハム市、デュッセルドルフ東部のレムシャイト市、北ドイツのフェヒタ郡で7日間の感染者数が50人を超えている。また、フランクフルトは47.1人で、近日中に50人を超えると予想されている。

ドイツは現在、学校が秋休みに入り、旅行に出る人も少なくない。欧州の大半の国がコロナの危険地域となっていることから、政府は国内旅行を推奨している。だが、州によっては国内であってもベルリンなどの危険地域に滞在した市民に自主隔離を義務付けており、移動の際は注意が必要だ。国会議員のなかには地元に帰れない人もいる。