コンチネンタル―オスラムとの知的照明合弁を解消―

自動車部品大手のコンチネンタル(ハノーバー)は23日、照明大手のオスラムと共同運営する車載知的照明の合弁会社を清算する方向で交渉していることを明らかにした。自動車業界の不況が新型コロナ危機で一段と深刻化していることを受けた措置。世界の自動車生産台数が危機前の2017年の水準に回復するのは早くても2025年と予想されることから、利益を確保しながら合弁事業を拡大していく見通しが立たず、合弁解消に追い込まれた格好だ。

同合弁は18年、折半出資で設立された。オスラムは新会社に発光ダイオード(LED)ベースの自動車向けソリッドステート照明(SSM)モジュール事業を移管。コンチネンタルは照明制御分野のノウハウを持ち寄った。

LEDベースの知的照明ソリューションではセンサーに連動して路上の鹿やカーブを自動的に照らしたり、自動車のデザインに柔軟性を持たせることができる。市場は急速な拡大を受けて、25年には新車の半分以上が装備するようになると予想されていた。

同合弁は計14カ所の拠点を持ち、従業員数は1,500人に上る。両社は合弁解消に向けた交渉を年内に終了し、その後に清算手続きを行う。

経済紙『ハンデルスブラット』が業界内の推定として報じたところによると、同合弁の売上高営業利益率は2ケタ台のマイナスに陥っている。開発費用の膨張が利益を強く圧迫しており、新型コロナ危機で財務が圧迫されるなか、赤字を垂れ流す事業を継続するゆとりはなくなったもようだ。コンチネンタルは昨年、同合弁で評価損1億5,800万ユーロを計上した。

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