ダイムラー―エンジン工場で4000人削減か―

独自動車大手のダイムラーが同社最大の部品生産拠点であるウンターチュルクハイム工場(シュツットガルト市)で大規模な人員削減を行うとの観測が浮上している。同工場の事業所委員会(従業員の代表機関)が従業員向けの情報で明らかにしたところによると、従業員1万9,000人のうち4,000人を2025年までに整理する可能性がある。同事業所委員会のミヒャエル・ヘーベルレ委員長は、ダイムラーは製品に関する労使合意を反故にし、エンジンへの投資を停止するつもりだと語った。同社はメディアに対し、エンジンへの投資を継続する考えを表明したものの、人員削減についてはコメントを控えている。

ダイムラーは昨年、二酸化炭素(CO2)の排出量を差し引きでゼロにする「カーボンニュートラル」を2039年までに実現するとの目標を打ち出した。再生可能エネルギー電力を用いて製造した水素と空気中のCO2を反応させて合成する人工燃料「eフューエル」が実用化されなければ、内燃機関車の製造は同年までに停止することになる。このためエンジン製造に携わる従業員の間には雇用不安が広がっており、ベルリンのエンジン工場でも閉鎖懸念が出ている。同社は従業員の懸念の払しょくに努めており、広報担当者は「ベルリン工場への投資は今後も行う」と強調した。

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