鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップ(エッセン)は29日、自動車産業向け設備事業ユニット「システム・エンジニアリング」を独立会社2社へと改めると発表した。組織再編方針に基づく措置。コロナ禍で自動車業界を取り巻く環境が悪化していることから、同事業ユニットでは人員削減も実施する。
システム・エンジニアリングを新事業年度が始まる10月1日付で、車体組み立てラインを手がける会社と、駆動装置・電池組み立てラインを手がける会社へと分割する。駆動装置・電池組み立てライン会社は売却ないし合弁会社化する意向で、新設した受け皿部門「マルチトラックス」へと移管する。
同事業ユニットの人員削減は計800人を予定している。そのうち500人をドイツ本国が占める。
ティッセンは5月、組織再編計画を発表した。これまで稼ぎ頭だったエレベーター部門の売却後も持続的に成長できる体制を整えることが狙い。持株会社へと移行して各事業部門に独立採算の責任を持たせるとともに、競争力のない事業を売却する意向だ。