電機大手のシーメンス(ミュンヘン)は25日、再生可能エネルギーを用いて水素を製造するパワーツーガス(P2G)プロジェクトを独南東部のヴンジーデルで実施すると発表した。現地企業と手を組んで電解施設を設置。同市と周辺地域に水素を供給する。同社は2050年までにドイツがカーボンニュートラルを実現するという目標を打ち出していることを指摘したうえで、「ヴンジーデルの施設はドイツ全体のモデルになる」と強調した。
まずは水素の年産能力900トンの電解施設を設置する。今年末に着工し来年末から稼働を開始する予定だ。将来的には年産能力を最大2,000トンに引き上げる。電解施設で用いる電力はすべて地域で発電される再生エネを用いる。
製造した水素はガスボンベに詰めてトラックで地域の顧客に供給する。オーバーフランケン、北オーバーファルツ、南テューリンゲン、ザクセンおよびチェコの西ボヘミアが主な販売地域となる。
電解施設には将来的にスタンドを併設し、燃料電池トラック・バス向けに水素を供給する。これによりトラック輸送と公共交通機関のカーボンフリー化を後押ししていく考えだ。