BASF―7-9月期も純赤字に―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)が9日発表した2020年7-9月期(第3四半期)暫定決算の純損益は21億2,100万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(9億1,100万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字計上は2四半期連続。新型コロナ危機に伴う景気低迷を受けて設備の評価損28億ユーロを計上したことが業績を強く押し下げた。営業損益(EBIT)は13億3,600万ユーロの黒字から26億3,700万ユーロの赤字へと転落した。

評価損は自動車、航空機業界からの需要減、基礎化学品の過剰供給に伴う利益率の圧迫、農業化学部門の生産ネットワークのスリム化を受けて計上した。自動車業界などの景気低迷と基礎化学品の利益率圧迫は長期化するとみている。

特別費計上前のEBITは5億8,100万ユーロの黒字となったものの、前年同期(10億5,600万ーロ)から45.0%減少した。川上分野で利益が圧迫されていることが響いた。売上高は為替差損の影響で5%減り138億1,200万ユーロとなった。

同EBITは前期の2億2,600万ユーロからは2.5倍以上に拡大した。10-12月期(第4四半期)はさらに増えると予想している。

20年12月通期については売上高が前期の593億ユーロから「570億~580億ユーロ」、特別費計上前のEBITが46億ユーロから「30億~33億ユーロ」に後退すると見込んでいる。