ドイツ企業の75%がデジタル戦略を展開していることが、情報通信業界連盟(Bitkom)のアンケート調査で分かった。2016年は61%、18年は68%となっており、同割合は着実に増えている。調査は従業員20人以上の企業1,104社を対象に実施した。
事務・管理プロセスのデジタル化投資を今年、「増やす」との回答は38%と、「減らす」(25%)を大きく上回った。コロナ禍を受けてデジタル化を強化する動きが強まっている。コロナ禍をきっかけに「移動端末などハードウエアへの投資を拡大する」は「増やす」と回答した企業の55%、「ソフトウエア投資を拡大する」は同39%、「事務・管理プロセスのデジタル化を加速する」は18%に上った。
スマートフォンやタブレットPC、ノートパソコンなどインターネット接続が可能な業務用の移動端末を利用する被用者の割合は55%に達した。銀行・金融業界では93%、保険業界でも89%と高い。IT・コンサルティングは64%だった。
社内外の通信手段としはスマホの利用率が18年の51%から81%へと30ポイント上昇。コロナ禍で物理的な接触を控える動きが広がったことから、テレビ会議も48%から61%へと13ポイント拡大した。これに反比例する形で、郵便は71%から56%、ファックスは62%から49%へと大きく落ち込んだ。
郵便をデジタル通信で置き換えることを目指す企業は86%に達し、18年の43%から2倍に拡大した。「文書の印刷が減った」も33%から49%に増えており、Bitkomは「コロナ禍はオフィスのデジタル化を加速した」としている。
使用しているデジタルオフィス・ソリューションを尋ねたところ、業務文書などを管理するECMは68%、顧客との関係を管理するCRMは60%、人材や物資などの経営資源を統合的に管理し経営の効率化を図るERPは77%に上った。