7-9月期成長率は過去最高の8.2%に、20年GPD予測を政府が引き上げ

ドイツ連邦統計局が10月30日発表した2020年7-9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期比8.2%増となり、4半期ベースのGDP統計を開始した1970年以降で最大の伸びを記録した。前期はコロナ禍の直撃を受けて9.8%減と過去最大の落ち込みとなったが、第3四半期は景気が急回復。アナリスト予想平均(7.3%増=ロイター通信の調べ)を大きく上回る成長を確保した。ただ、新型コロナウイルス新規感染者数の急増を受けて11月に部分的なロックダウン(飲食店などの営業禁止)が実施されることから、最終四半期の10-12月期は景気に急ブレーキがかかるとみられている。

第3四半期は前期の反動で個人消費と設備投資、輸出が伸びて、GDPが強く押し上げられた。プラス成長は昨年10-12月期以来で3四半期ぶり。

経済は急速に回復しているものの、GDPはなお低い水準にあり、第3四半期は物価調整後の実質で前年同期を4.1%下回った。

統計局は今回、これまでのGDP統計を修正。1-3月期(第1四半期)を0.1ポイント引き上げマイナス1.9%、4-6月期(第2四半期)を0.1ポイント引き下げマイナス9.8%とした。

一方、ドイツ政府は同日、20年のGDP成長率を従来予測のマイナス5.8%からマイナス5.5%へと引き上げた。11月の部分的ロックダウンで10-12月期の見通しは悪化したものの、7-9月期の実績が予想を上回ったことから、上方修正に踏み切った。21年については従来予測のプラス4.4%を据え置いた。

政府は今年10-12月期の実質GDP成長率を数日前まで前期比1.1%と予測していたが、国と州が11月の部分的ロックダウンを28日に決めたことを受けて、同0.4%へと引き下げた。