自動車業界のCASE化支援へ、コロナ危機対策の一環で政府が20億ユーロ

ドイツのペーター・アルトマイヤー経済相は100年に1度の構造転換に直面する自動車業界を支援するために総額20億ユーロのプログラムを実施する意向だ。関連省庁との調整に向けて連邦経済省が作成した文書をもとに『ハンデルスブラット』紙などが2日、報じた。

自動車業界では車両の「通信端末化」「自動運転化」「シェア化」「電動化」を意味する「CASE」という構造転換がすでに始まっている。これには多額の投資を要するうえ、ドイツメーカーは米IT大手や電気自動車(EV)専門メーカーの米テスラなど新興勢力の挑戦を受けてこれまでの優位性を失う恐れがある。

自動車業界支援策はこれを踏まえて経済省が作成した。新型コロナ危機対策の一環で政府が6月に打ち出した「自動車、サプライヤー業界の将来投資」支援策を具体化するものだ。「新しい駆動装置、デジタル化、オートメーション化の時代」も独自動車業界が世界トップにとどまり続けることを狙っている。

経済省の支援策は◇新しい生産設備、インダストリー4.0(つながる工場)、環境保護の促進に向けた投資と、生産そのものの革新の支援◇人工知能(AI)や新しい駆動装置などの研究開発支援および製品の革新の促進◇技術革新に向けて企業が共同で進めるクラスター構築の支援――の3本柱からなる。

同省は省庁間の政策調整と政府の決議を経て同プログラムが来年1月1日付で施行されると見込んでいる。期間は2024年まで。

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