独バイオ医薬品会社キュアバック(テュービンゲン)は2日、同社が開発中の新型コロナウイルス用ワクチンが、初期の臨床試験(治験)で免疫反応が確認されたと発表した。年内の最終治験開始に向けて弾みがついた格好だ。
キュアバックが開発しているのは、メッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新型コロナのワクチン。6月に治験の第一段階に当たる第1相臨床試験を開始していた。
同社の発表によると、ドイツとベルギーで健康な成人250人以上を対象に実施した第1相治験の途中段階で免疫反応が確認された。2度目の接種を受けた治験者を中心に疲労、頭痛、筋肉痛、発熱といった副作用が出たものの、症状は軽度で、ほとんどのケースで24~48時間以内に回復したという。
このほか、ウイルスを攻撃するT細胞も発生したとみられるが、さらなる分析が必要としている。
キュアバックは年内に3万人程度の治験者を対象とする第3相の治験を開始することを目指している。すでにドイツ政府や英グラクソ・スミスクライン(GSK)、カタール投資庁などから出資を受けているが、開発の促進や承認後の大量生産に備えて他の製薬会社との提携も模索していることを明らかにした。