バイエル―2四半期連続で赤字に、農業化学で巨額評価損―

ライフサイエンス大手の独バイエル(レバークーゼン)が3日発表した2020年7-9月期(第3四半期)決算の純損益は27億4,400万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(10億3,600万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字計上は2四半期連続。前期に引き続き農業化学部門が大きな足かせとなった。

農業化学部門では計92億5,100万ユーロもの評価損を計上した。これを受けバイエルのEBITベースの営業損益は93億9,900万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(12億800万ユーロ)から悪化した。同部門は前期も除草剤「グリホサート」などを巡る損賠訴訟で巨額引当金を計上しバイエルの業績を強く押し下げている。

売上高は85億600万ユーロで、前年同期を13.5%割り込んだ。為替差損と事業の買収・売却を除いた実質ベースでは減少幅が5.1%。種子や農薬の主要市場であるブラジルの通貨安などが響いた。

EBITDAベースの営業損益(特別費計上前)は17億9,500万ユーロの黒字となったものの、前年同期を21.4%下回った。売上高営業利益率は前年同期の23.2%から21.1%へと落ち込んだ。

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