オンラインバンキングを利用する消費者の割合がドイツで73%に達したことが、情報通信業界連盟(Bitkom)のアンケート調査で分かった。2014年は同53%にとどまっており、6年で20ポイントも増えた計算だ。今後の利用が考えられるとの回答も10%に上っており、利用率は近い将来、80%を超えるとみられる。Bitkomのベルンハルト・ローレーダー専務理事はコロナかを背景にデジタル化が加速していることを指摘したうえで「この傾向は金融業界でも今後さらに強まる」との見方を示した。
オンラインバンキングの利用者を年齢別でみると、利用比率が最も高いのは30~49歳で、96%に達した。これに16~29歳が88%、50~64歳が87%で続く。65歳以上は22%と極端に少なかった。
オンラインバンキングで利用する機能では残高照会が最も多く97%に上った。送金(93%)、口座自動振替(85%)も利用者が多い。
オンラインバンキングを利用する際の機器ではノートパソコンが82%で最も多かった。2位はスマートホン(58%)、3位はデスクトップパソコン(53%)、4位はタブレット端末(50%)となっている。
スマホは15年時点で34%にとどまっていたが、18年以降、利用者が急増している。年齢別では16~29歳が72%で最も多く、これに30~49歳が58%、50~64歳が52%、65歳以上が43%で続いた。
オンラインバンキングに対する評価では「必要な機能がすべてある」が93%、「安全」が91%と特に高く、これに「使いやすい」が82%、「全体の見通しがきく」が80%で続いた。
オンラインバンキングを利用していない回答者にその理由を聞いたことろ「これまで利用してこなかったから」が最も多く71%に上った。「データ保護上の懸念」と「人との接触を伴わないから」はともに50%と多かったものの、18年に比べるとそれぞれ33ポイント、17ポイント減少している。「ネット犯罪への懸念」も18年の77%から44%へと33ポイント低下した。
オンラインバンキングの利用者に銀行サービスの利用チャンネルを聞いた質問では、「すべてオンライン」が35%、「ほとんどがオンライン」が53%に達し、「ほとんどが支店」は10%にとどまった。支店の利用頻度も「月1」が43%、「ほとんど利用しない」が41%に上り、「月に数度以上」は計13%だった。
アンケートの全参加者に「銀行支店がなくても問題はないですか」と質問したところ、「はい」は38%だった。16~29歳が51%で最も高く、30~49歳は46%、50~64歳は41%、65歳以上は16%だった。