独フォルクスワーゲン(VW)がスロバキア工場に推定10億ユーロ弱を追加投資する。トルコ工場新設計画の撤回を受け、既存工場を強化する戦略に転換した。投資額は7月に報道された「5億ユーロ強」の2倍近くに上る。英字紙『スロバキア・スペクテーター』が9日に伝えた。
VWのヘルベルト・ディース社長は独『アウトモビールヴォッヘ』誌の取材に「コロナを機に新たに生産能力を評価し、工場を新設する必要がないことがわかった」と話し、ブラチスラバ工場に組み立て工場、車体製造施設を増設して対応する方針を明確にした。
これまでに明らかになっているところによると、トルコ現地生産が予定されていたVW「パサート」とシュコダ「スペルブ」をブラチスラバ工場で生産する。具体的な生産台数や、電気自動車(EV)モデルが含まれるかどうかは明らかではない。
マトヴィッチ政権は7月にVWと基本合意を結び、投資が実行された際の奨励策を約束した。これには、従業員の研修施設の整備や、ブラチスラバ工場20キロ圏内における賃貸住宅の建設、通勤の足である公共交通機関の整備なども含まれる。