独シーメンスからの分社化の形で設立されたエネルギー設備大手シーメンス・エナジー(ミュンヘン)は10日の決算発表で、純粋な石炭発電の建設プロジェクト入札に今後は一切、参加しない方針を発表した。同社のジョー・ケーザー監査役会長(シーメンス社長)は石炭発電事業からの撤退方針をすでに打ち出しており、これを具体化した格好だ。すでに受注したプロジェクトや、石炭発電所の二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組み支援は引き続き行う。
同社の2020年9月通期決算の純損益は18億5,900万ユーロの赤字となり、前期の黒字(2億8,200万ユーロ)から大幅に悪化した。航空機転用型ガスタービン事業の低迷やリストラ、シーメンスからの分離に伴い15億ユーロ以上の特別費を計上したことが響いた格好。営業損益(EBTDA、調整済み)も10億6,400万ユーロの黒字から15億4,300万ユーロの赤字へと転落した。売上高は5%減の274億5,700万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の3.7%からマイナス5.6%へと大きく低下した。新規受注高は1%増の340億100万ユーロで、BBレシオは1.2%だった。
21年9月期は売上高で2~12%増、売上高営業利益率で3~5%を見込む。