ドイツ政府は6日、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発支援プログラムを発表した。ワクチンは感染予防に寄与するものの、感染者には効果がないことから、治療薬の開発を促進する。アンヤ・カルリツェク研究相は、ワクチン接種率が高水準に達したとしても新型コロナウイルスに感染する人はなくならないと述べ、感染の様々な症状・段階に見合った新規の治療薬を確保する必要があるとの認識を示した。
政府はコロナワクチンの開発支援に昨年、10億ユーロ以上を投じた。その効果もあり独バイオ医薬品企業ビオンテックと米製薬大手ファイザーはワクチン開発に成功。すでに接種が始まった。独キュアバックも国の支援を受けて開発を進めており、現在は治験の最終段階に達している。
独研究省は昨年、既存の医薬品が新型コロナの治療に投入できないかどうかを調べる取り組みの支援を開始した。ただ、決定的に有効な医薬品は現時点で存在しないことから、新規治療薬の開発を支援する。支援プログラムの規模は差し当たり5,000万ユーロ。ドイツに事業拠点を持つ企業や研究者は連邦研究省に助成金を申請できる。申請期限は2月17日、支援期限は2023年末。