英国が包括的な通商協定を結んだうえで欧州連合(EU)から離脱するソフトブレグジットは、通商協定なしの離脱(ハードブレグジット)に比べEUと英国の双方にもたらす影響が大幅に小さい――。Ifo経済研究所とキール国際経済研究所は独経済省の委託で作成した調査レポートでそのような結論を提示した。英国は離脱移行期間の最終局面でEUと通商協定を取り決めたことから、ブレグジットの経済的なダメージは比較的小規模にとどまる見通しだ。
同レポートによると、ハードブレグジットが起きた場合、英国の国内総生産(GDP)は長期的に年平均3.37%縮小。EUとドイツもそれぞれ0.62%、0.53%目減りする。
一方、ソフトブレグジットの場合は、英国のGDP縮小幅が0.95%となる。規模大きいものの、ハードブレグジットの3分の1以下にとどまる。EUとドイツはそれぞれ0.16%、0.14%。ドイツの数値は額に換算すると49億ユーロとなる。
ペーター・アルトマイヤー経済相は、EUと英国が関税なしの包括的な協定を締結したことは良いメッセージだと述べた。