機械メーカーの4分の3が増収予想

独機械メーカーのおよそ4社に3社が今年は売上増を見込んでいることが、ドイツ機械工業連盟(VDMA)が20~22日の3日間、加盟企業を対象に実施したアンケート調査で分かった。主要市場である中国と北米の回復を予想する企業はそれぞれ43%。足元の欧州についてはドイツも含め低迷を見込む企業が多いことから、欧州域外がけん引車となる見通しだ。

VDMAは業界生産高については物価調整後の実質で4%増加するとの予測を提示した。2020年はコロナ禍で推定14%減少しており、その反動で拡大に転じる。ただ、19年に比べると約10%低く、新型コロナ危機前の水準まで回復するには時間がかかる見通し。

20年は加盟企業の約80%が減収となった。増収は21%にとどまったものの、9月下旬のアンケート調査では増収予想が13%にとどまっており、業界を取り巻く環境は改善しているもようだ。VDMAは10-12月期(第4四半期)に景気の勢いが強まったとしている。

受注も回復に向かっている。受注の減少・キャンセルの規模が「大きい」ないし「深刻」と答えた企業は計53%で、9月下旬の前回調査(同77%)から24ポイント減少。受注の減少・キャンセルが「ない」は6%から15%へと拡大した。

今後3カ月で受注・キャンセル状況が「改善する」との回答も前回の20%から23%へと拡大した。「悪化する」は17%から13%に低下している。

サプライチェーンの支障が「大きい」ないし「深刻」との回答は計20%となり、前回の10%から倍増した。同回答は4月中旬の調査(47%)をピークに減少が続いていたが、再び拡大へと転じた。

受注とサプライチェーン以外の支障としては、「旅行・滞在制限」との回答が最も多く、88%に達した。これに「事業計画の立てにくさ」が79%で続く。「健康・衛生規制」は42%、「顧客が製品を引き取りたがらない」は33%、「物流・輸送」は31%だった。「労働力不足」との回答は21%にとどまったものの、7月上旬(同5%)に比べると4倍に増えた。

操業時間を現在、短縮している企業は48%で、9月下旬の64%から16ポイント低下した。新規雇用を停止している企業も62%から47%に減っている。

VDMAはコロナ禍が経済に大きな影響をもたらすようになったことを受けて、3月中旬に第1回目の調査を実施した。今回は9回目となる。

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