20年の貿易黒字は9年来の低水準に

ドイツ連邦統計局が9日発表した2020年の貿易黒字は前年比20.0%減の1,791億ユーロへと縮小し、9年来の低水準となった。黒字幅の縮小は4年連続。コロナ禍の影響で輸出が特に大きく落ち込んだ。

経常黒字は2,362億ユーロで、減少幅は3.5%にとどまった。国外旅行を見合わせる人が多かったことからサービス収支の赤字幅が前年の217億ユーロから3億ユーロへと大幅に縮小したことが大きい。

輸出高は1兆2,047億ユーロで、前年を9.3%下回った。ユーロ圏向けが10.5%減の4,408億ユーロ、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国向けが6.0%減の1,936億ユーロ、EU域外向けが9.4%減の5,704億ユーロへと後退。EUを離脱した英国向けは15.5%落ち込んだ。

最大の輸出先国は米国で、輸出額は1,038億ユーロ(前年比12.5%減)に上った。これに中国が959億ユーロ(0.1%減)、フランスが910億ユーロ(14.6%減)で続いた。

輸入高も7.1%減の1兆256億ユーロへと縮小した。内訳はユーロ圏が9.0%減の3,728億ユーロ、EUのユーロ非加盟国が4.7%減の1,749億ユーロ、EU域外が6.4%減の4,780億ユーロ。英国は9.6%減の347億ユーロだった。

最大の輸入先国は中国で、額は1162億ユーロ(5.6%増)に上った。2位はオランダで884億ユーロ(9.6%減)、3位は米国で678億ユーロ(5.0%減)となっている。

12月の輸出高は前年同月比2.7%増の1,007億ユーロとなり、10カ月ぶりに拡大した。中国向けが11.6%増の93億ユーロ、米国向けも8.4%増の92億ユーロと好調だった。輸入高は3.5%増の859億ユーロで、貿易収支の黒字幅は前年同月の151億ユーロから148億ユーロへと2.0%縮小した。経常黒字は11.5%増の282億ユーロだった。

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