自動車大手の独ダイムラーは3日、商用車部門を独立企業として分離する計画を発表した。自動車業界で進む構造転換に機敏に対応できる体制を整えることが狙いで、ダイムラーは乗用車の専門メーカーとなる。7-9月期の株主総会で正式決定する。競合フォルクスワーゲン(VW)はすでに商用車部門を分離・上場しており、自動車業界での事業集中・選別の動きは一段と鮮明になってきた。
ダイムラーは市場と顧客ニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応できる体制を構築するため、2019年11月に持ち株会社となった。傘下に乗用車事業の統括会社メルセデスベンツ、トラック・バス事業の統括会社ダイムラー・トラック、および金融と移動サービスを手がけるダイムラー・モビリティの3社を持つ。
今回打ち出した方針をこの取り組みをさらに先に推し進めるもので、ダイムラー・トラックの過半数株をダイムラーの株主に割り当てるとともに、同子会社の新規株式公開(IPO)をフランクフルト証券取引所で年末までに実施する考えだ。ダイムラーの出資比率は50%未満に低下する。
ダイムラーは時機を見て社名をメルセデスベンツへと改める。また、ダイムラー・モビリティの事業をメルセデスベンツとダイムラー・トラックへと振り分ける。