化学大手の独ユニパーと蘭ロッテルダム港湾公社(PRA)は8日、再生可能エネルギーを用いてグリーン水素を同港内で製造するプロジェクトの実現可能性調査を実施すると発表した。同港を再生エネの調達や水素の販売で優れた立地とみている。
ロッテルダム港マースフラクテ地区にあるユニパーの敷地内に水素製造設備を設置する。実現可能性調査を今夏までに終了し、2025年に建設する意向だ。まずは100メガワット級でスタートし、最終的に500MW級へと拡大する。
再生エネは洋上風力発電パークから調達。製造したグリーン水素は港湾内とドイツの産業顧客に販売する。長期的には独西部のノルトライン・ヴェストファーレン州に水素を輸送するパイプラインの敷設を視野に入れている。
同プロジェクトは欧州連合(EU)の「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の事前資格審査を先ごろ通過した。両社は今後、水素設備の技術計画の詳細を詰めるとともに販売市場の可能性を調査。プロジェクトを実現可能と判断した場合はIPCEIの枠組みで補助金を申請する。