リリウム―SPAC活用しナスダック上場へ―

空飛ぶタクシーを開発中の独リリウムは30日、米国で新規株式公開(IPO)を実施すると発表した。IPOの新たな手法として注目を集めている特別買収目的会社(SPAC)を活用して事業資金を調達。2024年に予定する量産などの準備に充てる。

SPACは事業資金を投資家から調達したうえで新興企業などと合併し、合併先企業を株式市場にデビューさせることを目的とする企業。有名な投資家や事業家がSPAC立ち上げることから、合併対象となる新興企業は単独でIPOを目指すよりも簡単に資金を獲得できる。

リリウムはこの枠組みを活用して米ハイテク市場ナスダックでIPOを実施する。同社を買収するSPACは自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)の元北米事業統括責任者が立ち上げたクエル・アクイジション。クエルはすでに投資家から3億8,000万ドルの資金を確保している。リリウムは新株発行と合わせて約8億3,000万ドルを調達する見通し。

リリウムは電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発している。米フロリダでは同社の機材を用いた輸送サービスの準備が進められている。離着陸拠点を最大14カ所、設置する計画だ。

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